━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2008                ☆   ☆                            ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜        ☆                          _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━   ≪ 7月号 事業系一般廃棄物について ≫                       【 2008年 7月10日発行分 】 =========================================================================    〜何故コンビニエンスストアに家庭ごみを出してはいけないのか?〜 =========================================================================    読者の皆様、初めまして!!    今年の4月にミダックの一員となった新入社員です。    2007年度入社の先輩方に代わり、今後のメルマガ発行を担っていきます。    どうぞよろしくお願いします。    最近はそれほど多くないかも知れませんが、就職すると同時に実家を出る。    と、いう人もいるのではないかと思います。    かく言う私もその一人で、就職と同時に実家を出て一人暮らしを始めました。    ただ、今はどこにでもコンビニエンスストアがあるので便利ですね。    私もよく利用するのですが、ふと疑問に思ったことがあります。    それは、コンビニエンスストアにあるごみ箱の前に、    「家庭ごみの持ち込みはご遠慮願います」という張り紙が増えたことです。    その張り紙を見て、「モラル上の問題以外にも、コンビニに家庭ごみを    捨ててはいけない理由があるのではないか?」    と、いち廃棄物処理業者の社員として気になることでした。    今回のミダコロジーでは、家庭ごみとコンビニエンスストアのごみの違い    について調べてみました。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。        ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送り下さい。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*      <CONTENTS>     T.ごみの区分…(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物について     U.(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物の費用負担者の違い     V.事例…コンビニエンスストアへの家庭ごみ持ち込み増加     W.ごみはルールを守って捨てましょう     □■編集後記■□ *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*    【T.ごみの区分…(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物について】    冒頭の疑問を解決するために、まず「ごみの区分」について調べました。    そもそもごみには大きく分けて2種類あって、    一つは一般廃棄物、もう一つは産業廃棄物と区別されています。    そして、一般廃棄物は、(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物に    区別されます。    ○●(家庭系)一般廃棄物●○    (家庭系)一般廃棄物とは家庭から出されるごみの総称です。    私達が「ごみ」と聞いてまず連想するものだと思います。    ○●事業系一般廃棄物●○    事業系一般廃棄物とは規模の小さい事業者が出すごみで、    なおかつ産業廃棄物には当てはまらないごみの総称です。    具体的にはオフィスから出る紙くずや、飲食店から出る生ごみ、    コンビニエンスストアから出るごみもこれに該当します。    これまでに述べたごみの区分を整理して、図にしてみましょう。    ごみ→→一般廃棄物→→(家庭系)一般廃棄物→家庭ごみ       ↓      ↓       →産業廃棄物 →→事業系一般廃棄物→→コンビニごみ    日頃何気なく接しているごみも、このように細かく区別されているのですね。    では、(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物と区別することで、    どういった違いが出てくるのでしょうか?    それは、「ごみの処理責任と処理費用の負担責任がどこにあるか」    分かりやすく言うと「誰がごみ処理の義務を負い、お金を払って処理するか」    ということが挙げられます。    では、次の段落でその違いについて見てみましょう。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*    【U.(家庭系)一般廃棄物と事業系一般廃棄物の費用負担者の違い】    それでは、各区分で「誰がごみ処理の義務を負い、お金を払って処理するか」    を見てみましょう。    ○●(家庭系)一般廃棄物●○    処理責任者⇒市町村    費用負担者⇒各自治体    ○●事業系一般廃棄物●○    処理責任者⇒ごみを出す会社や事業者    費用負担者⇒ごみを出す会社や事業者    ここで、(家庭系)一般廃棄物はごみの量が増えたからといって、    より多くの税金を徴収されることはありません。    しかし、事業系一般廃棄物はごみの量が増えると、費用負担額も増加します。    したがって、家庭ごみをコンビニエンスストアに持ち込むと、    その店舗の費用負担額が増加してしまいます。    また、(家庭系)一般廃棄物を処理したい場合には、    市町村ごとに決められた排出方法に従って適正に処理しなければなりません。    家庭ごみはごみステーションに捨てるように定められているので、    家庭ごみをコンビニエンスストアに捨てるという行為は    「不法投棄」ということになってしまいます。    そうです!    だからこそ、コンビニエンスストアに家庭ごみを捨ててはいけないのです!    コンビニエンスストアに捨てられる家庭ごみは、法律違反の証でもあるし、    店舗のお財布事情を脅かす厄介者なのです。    さて、コンビニエンスストアにとって悩みの種である    「(家庭系)一般廃棄物の持ち込み」    今後減っていくことを願うばかりなのですが・・・    そんな気持ちとは裏腹に、持ち込みごみ増加が懸念されているのです。    それは家庭ごみの有料化と深く関わっているのですが・・・。        次の段落では、ごみの有料化と持ち込みごみ増加について見ていきましょう。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*    【V.事例…コンビニエンスストアへの家庭ごみ持ち込み増加】    現在、自治体によっては家庭ごみの有料化を進めているところもあります。    実際に2008年4月から有料化を実施した新潟県上越市の例を挙げます。    以下引用    家庭ごみの有料化に伴ってコンビニは悲鳴を上げている。店外に設置された    ごみ箱に家庭ごみを捨てる人が急増、これが全国的な現象になっている。    上越市内のコンビニでは、有料化後に可燃ごみの量が平均で1.5倍、    なかには2倍に増えた店もあるという。    (中略)    コンビニの場合、処理費用はごみ回収業者に定額で支払っているが、    「量が増えれば、値上げされるかもしれない」と不安の声が上がった。    一方で、ごみ箱を店内に移した店舗では、量は3分の1に減ったが、    客足が遠のくことも懸念された。    引用終わり (J−CASTニュースより(一部改編))    家庭ごみの有料化が進めば、今後店舗への持ち込みが増えるかもしれません。    利用者のマナーが悪ければ、店外のごみ箱が撤去される可能性もあります。    そうなると、私達には不便ですよね?    上記の例で、コンビニエンスストアに家庭ごみを持ち込んでいる人達は、    店舗のごみ処理費用について詳しく知らないのかもしれません。    しかし、家庭ごみを店舗に持ち込むことは、その店舗の負担を増やすことに    繋がります。また、結果として私たちの利便性を損なう恐れもあります。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*    【W.ごみはルールを守って捨てましょう】    ほとんど内容が変わらない家庭ごみとコンビニごみでも、    法律では全く違うものとして扱われているのですね。    ルールが守られないと、本来必要のない費用が発生してしまうのです。    「ちょっと歩けばコンビニがあるから」    なんて軽い気持ちでコンビニエンスストアに家庭ごみを捨てることが、    お店の人への金銭的な負担を増やすことにもなり、    さらには、不法投棄をすることになってしまうのです。    ごみの区分や処理に関する決まりは、    主に廃棄物処理及び清掃に関する法律で定められています。    この法律は、よく「廃掃法」や「廃棄物処理法」といった略称で用いられます。    廃掃法による決まりは複雑ですが、今回の話のように、    身近な例で考えると少し分かり易くなるかもしれませんね。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*    □■編集後記■□    2008年度新入社員によるみだコロジー初刊、いかがでしたでしょうか。    今年度の新入社員も前年に引き続き、グループ各社の    中間処理・焼却処分現場、各営業所、と多様な配属になっております。    今後もこの利点を活かし、様々な角度から、廃棄物処理法に関わる話題や、    ニュース等で報道された環境に関わる用語の紹介をしていく予定ですので、    ご期待下さい。 ―━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━  ┏━━━━━━━━━━━━━○     プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―    ◆◇ 7月号 食品廃棄物について ◆◇                   【2008年7月24日発行分】    じめじめした梅雨が終わり、海開きの時期ですね。    3連休は海に足を運ばれた方も多いのではないでしょうか。    私は以前コンビニエンスストアで働いた経験がありますが、    海開きに伴って、海に近いコンビニエンスストアは大忙しでした。    弁当や冷たい飲み物、そしてアイスが人気商品となり、    店長はお客の増加を見計らって売れ筋を大量に仕入れます。    しかし、準備万端で迎えた土日に残念な雨・・・    天気予報に裏切られ、残るは在庫の山。つまり食品廃棄物の山です。    今回は、そんな「食品廃棄物」について近年の動向を追ってみました。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ==================================    <CONTENTS>    【T.食品廃棄物の現状】    【U.消費者ができる取り組み】    【V.食品リサイクル法】    【W.改正後の取り組み】    【X.まずは「発生抑制」から】 ==================================    【T.食品廃棄物の現状】    日本の食料自給率は約40%と低く、外国から食料を輸入しています。    その一方で、まだ食べられる食品も廃棄している現状です。    食料が足りなくて輸入しているはずなのに、もったいないですよね。    まずは、食品廃棄物がどのように、どのくらい発生するのかを    見ていきます。     <事業系>  約1,100万トン/年(推計)      (内訳)              ・食品製造業   → 加工時に出るかす       ・食品卸売、小売業 → 売れ残り、商品廃棄       ・外食産業   → 調理くず、食べ残し     <家庭系>  約1,010万トン/年(推計)      (内訳)       ・消費者     → 食品廃棄               ※H17年度環境省、農林水産省統計資料より抜粋    これら(事業系+家庭系)食品廃棄物の発生量は、廃棄物発生量全体と    比較すると約2.6%です。    また、他国からの食料輸入量と比較すると約20%にあたります。    かなりの無駄が発生していることがわかりますね。    無駄な食品廃棄物をなんとか減らしたい!! **********************************    【U.消費者ができる取り組み】    食品廃棄物を減らすにあたってまず考えられるのは、初めから廃棄物を    出さないことです。(ここでは「発生抑制」と呼ぶことにします。)    そのために、私たち消費者は消費段階で努力しなければなりません。    と言っても、何から手をつければいいのか分かりませんよね。    具体的な取り組みを挙げると、    ・料理を必要以上に頼まない ⇒ 食べ残しの量を減らす    ・適量を購入する ⇒ 食品廃棄(腐る、期限切れ)を減らす    これらはとても簡単かつ身近で、今日からすぐに取り組めることです。     キーワードは「☆腹8分目★」。    今まで、輸入量の約2割の食品を捨てていると仮定したならば、    その2割を初めから購入せずに、8割に抑えましょう!    ・・しかし、消費者から発生する食品廃棄物はあくまで半分です。    残り半分を排出する事業者も、努力していかなければいけません。    そこで、食品関連事業者から出る廃棄物を減らすための    「食品リサイクル法」を調べてみました。 **********************************    【V.食品リサイクル法】    食品リサイクル法は、H13年に食品廃棄物の「発生抑制」と「再生利用」    の促進を目的として施行されました。    年間100トン以上食品廃棄物を出す多量排出事業者が対象で、    H17年度までに食品廃棄物を20%以上削減、もしくはリサイクルする    ことが目標として定められました。    この法律を踏まえた取り組みの結果は以下の通りです。         <食品廃棄物の年間発生量> <再生利用実施率>             (H13年度比)      (H13年度比)      食品産業全体 44 万トン 増        15% 増     ・食品製造業   31 万トン 増        21% 増     ・食品卸売業 2 万トン 増        29% 増     ・食品小売業   27 万トン 増        8% 増     ・外食産業  16 万トン 減        7% 増     ※参考データ:「H17年食品循環資源の再生利用等実態調査報告」                       (農林水産省)    上の結果の通り、食品産業全体の「再生利用」実施率は明らかに    向上しました。    しかしその中でも、小売業や外食産業は製造業や卸売業に比べ、    再生利用への取り組みが遅れており、その理由としては    以下の点が考えられます。     ・多店舗のわりに少量排出のため、食品廃棄物の処分コストが高い     ・性状、品質が不安定かつ異物(割り箸等)混入のリスクが      高いため、再生利用しづらい    このような小売業や外食産業の課題に基づき、H19年12月に食リ法は    一部改正され、それらの業種がより取り組みやすくなりました。    次は、改正後どのように取り組みやすくなったかを見てみましょう。 **********************************    【W.改正後の取り組み事例】    食品リサイクル法は、更なる再生利用実施率の向上を目指して一部    改正されました。H24年度までの目標も各業種別に決まっています。    法改正後の流れとして、小売業や外食産業の再生利用への取り組みに    以下の再生利用事業計画「リサイクル・ループ」を推進しています。      ●○リサイクル・ループ(食品の再生利用事業)●○        (野菜等)→ 食品関連事業者→(食品廃棄物)       ↑             ↓        農業者 ←−−(肥料等)←−再生利用事業者    この計画を作成すると、法規制が緩和されます。    事業者にとっては、回収効率が上がりコストが削減され、    エリアの小さい都市部でも再生利用に十分な量を確保できるように    なりました。    こうした法改正を受けて、実際に下記のような取り組み例があります。    ◆ 食品メーカー A社(製造業)      廃棄物として発生する卵殻を、幼児食やチョーク等に再資源化。      年間約2万3,000トン(約40億個分)の殻を有効活用しています。    ◆ コンビニエンスストア B社(小売業)      食品廃棄物 → 飼料化 → 養豚農場 → ブタ肉を弁当に利用。      東京23区、神奈川県、千葉県の約260店舗から、保冷車で毎日回収。           ※東京都、神奈川県、千葉県での総店舗数は、616店舗。       (参考データ:コンビニウォーカー http://cvs.main.jp/)    今後の小売、外食産業では、リサイクル・ループを採用する事業者が    増えることで、物流網が整備されて、全体の「再生利用」実施率も    上がることと考えられます。 **********************************    【 X.まずは「発生抑制」から 】    ここまで、「食品廃棄物」について近年の動向を追ってきましたが、    「再生利用」の取り組みが急速に進む一方で、「発生抑制」の    取り組みは遅れ気味です。    食品廃棄物を減らすためには、     @まず食品廃棄物の「発生抑制」をして、     Aそれでも発生する分については「再生利用」する、    という優先順位で取り組むのが合理的ですよね。    その意味でも、消費者による「発生抑制」は大事な取り組みです。    事業者による「発生抑制」の取り組みは、まだまだ難しそうですが、    消費者が無駄な食品購入を抑えれば、事業者も調整せざるをえません。    なるべく無駄が出ないように、計画的に買い物していきたいですね。 **********************************    ■□編集後記■□    今回のプチ☆みだコロジーいかがだったでしょうか。    とても身近な「食品廃棄物」について取り扱ってみました。    今年の4月、ミダックグループにおいて一般廃棄物の収集運搬を    担当する潟~ダックライナーの研修で、パッカー車に乗りました。    パッカー車とは、よく街中を走っているゴミの回収車です。    朝早くから、食品関連事業者様の廃棄物を回収していると、    まだまだ利用価値が高く、勿体無いゴミもあるなと感じました。    今後、食リ法による取り組みが進んでいくと、そのようなゴミも    徐々に減っていくでしょう。    もちろん事業者だけでなく、私も生ゴミを減らしていきます。    もう、スーパーで手当たり次第に食品は買いませんよっ!    次回は8月21日発行予定、みだコロジー「循環型社会」についてです。          ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:    ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。      ご意見、ご質問もお待ちしております!      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