━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2008          ☆   ☆                        ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜    ☆                      _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 8月号 循環型社会を実現するために ◆ 【2008年8月21日発行分】    こんにちは!!!    北京オリンピック真っ只中いかがお過ごしですか?    私はテレビで日本選手の活躍を観戦しています。    みなさんの中には北京オリンピックのために大きなテレビに買い換え    た人もいらっしゃるのではないでしょうか?     そのとき、電気屋さんで古いテレビを引き取ってもらう代わりにリサ    イクル料を徴収されませんでしたか?これは消費者がリサイクル料を    負担し、メーカーが実際にリサイクルをするという循環型社会を実現    するための1つの形なんですよね。    ところで、「循環型社会」って何??(と思うのは私だけ?)    そこで、今回はまず「循環型社会」とは何かを改めて確認し、循環型    社会を実現するためにはどのような取り組みが重要になってくるのか    を一緒に勉強しましょう!    キーワードは★☆拡大生産者責任☆★です。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.循環型社会って?】    【U.循環型社会を実現するには?】    【V.拡大生産者責任】    【W.実際の取り組み】    【X.まとめ】 ===================================    T.【循環型社会って?】    廃棄物問題やリサイクル問題について学んでいると、「循環型社会」    という言葉がキーワードとしてよく出てきます。しかし、この言葉    だけでは、どのような社会なのかよくわかりませんよね?    循環型社会は「循環型社会形成促進基本法」の中で説明されています。    その中では、    「製品等が廃棄物になることが抑制され、並びに製品等が循環資源と    なった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われるこ    とが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適    正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷    ができる限り低減される社会」    とされています。    法律の言葉はやはり難しいですね・・・・。    しかし、これは簡単に4つに言い換えることができます。    @ 環境配慮設計 :製品の生産段階で廃棄物になりにくいように      (リデュース)   配慮している。    A  リユース  :使用済みの製品はできる限り再利用(再生利用)      (リサイクル)  している。    B 適正処理   :処分する場合には、適正に処理している。    C 天然資源の節約:天然資源の使用を減らし、環境負荷を抑制している。    つまり、この4つが実現されている社会が循環型社会と言えるのです。    それでは、この循環型社会を実現するためにはどのような取り組みが    必要になるのでしょうか。 ***********************************    U.【循環型社会を実現するには?】    循環型社会を実現するためには、動脈産業と静脈産業のバランスが取    れていることが重要となります。    ☆動脈&静脈産業☆    ○動脈産業…製品の生産、物流、販売、消費に関わる産業    ○静脈産業…使用後の製品の回収、再利用、再資源化、中間処理、          最終処分に関わる産業    しかし大量生産、大量消費の時代の中では動脈産業が静脈産業に比べて    優位な立場であるために、現在のところ動脈産業と静脈産業のバランス    は取れていません。    これからは、環境負荷が小さく廃棄物となりにくい製品を生産者が設計    することで、限られた資源を有効に活用できるようにしていくことが求    められていくことでしょう。故に、生産者は使用後の製品を再利用、再    資源化し易いように考えていく必要があるのです。    つまり、生産者が製品に対して、生産段階から廃棄段階まで責任を負う    ことが求められているのです。    これを★☆拡大生産者責任☆★といいます。 ***********************************    V.【拡大生産者責任】    拡大生産者責任とは、生産者が使用後の生産物に対して一定の責任を負    うというもので、主要な目的は大きく4つあります。    @ 資源効率の向上、天然資源を節約する    A 廃棄物の発生抑制・排出抑制、または廃棄物の適正管理    B 持続可能な発展を促すための原材料の循環利用    C 環境配慮設計    この拡大生産者責任の目的を1つずつ見ていくと、T章で取り扱った    循環型社会の定義と似ていることがわかります。    このことからも拡大生産者責任という概念が循環型社会の形成にとって    縁の下の力持ち的な役割を期待されていることが分かりますね。    今ではこの概念が世界中に浸透し始め、各国で様々な取り組みが見られ    ます。    では、拡大生産者責任の実際の事例を見ていきましょう。 ***********************************    W.【実際の取り組み】    まずは、ドイツの事例を見てみましょう。    ドイツでは「容器包装廃棄物政令」が実施されました。これは包装廃棄    物の回収、リサイクルを事業者に義務付けたもので、拡大生産者責任の    起源とされています。    この容器包装廃棄物政令の仕組みを簡単に説明します。    事業者は共同出資で包装廃棄物を回収するために会社(以下DSD)を    設立します。事業者は包装する際に特定のマークを付け、そのマーク使    用料としてDSDにお金を払います。DSDはそのお金で包装容器を回収し、    リサイクルをするという仕組みです。    この制度と日本の包装容器リサイクル法と比較すると、ドイツでは包装    容器の収集から処理まで全面的に生産者(事業者)が責任を取るのに対    し、日本では廃棄物の収集は市町村に任せられ、私たちの税金でまかな    われています。    日本では循環型社会を実現するために、生産者の負担(責任)を大きく    するのではなく、消費者の直接負担や税金負担を大きくすることで実現    しようとしているという意見もあります。    そのような意見からも日本では拡大生産者責任という概念が定着してい    ないように感じるのと同時に、さらなる法律の整備が必要であると感じ    ますね。    そのような中、日本でも独自に拡大生産者責任を果たす企業も出てきま    した。    複写機メーカー F社    使用済みの機械やトナーカートリッジなどの消耗品を回収し、工場で分    解・洗浄したのち、選別・修理などの再生工程を経て、部品として循環    させる仕組みで、さらに再利用できない部品は、素材やエネルギーとし    て活用しています。    このような取り組みを行う企業は日本ではまだまだ少ないのですが、    今後、様々な業界からこのような企業が増えていけば日本の循環型    社会の構築に大きく近づけますね。 ***********************************    X.【まとめ】    循環型社会を実現するためには、動脈産業と静脈産業がバランスを取る    ことが大切であり、バランスを取るためには拡大生産者責任という概念    の浸透が必要不可欠になっていることを分かっていただけましたか!    これからは独自に拡大生産者責任を果たすことが他の企業と差別化する    有効な手段になると考えられています。    そのためにも法律の整備を待っているだけでなく、循環型社会を実現す    るために先ほど挙げたF社のような生産者の積極的な取り組みが必要と    なってきます。    私たち消費者は、3R運動に積極的に取り組むことはもちろん、    拡大生産者責任を果たす企業の製品を優先的に購入するなどの取り組み    が必要になります。    <参考文献>    廃棄物学会『新版ごみ読本』中央法規 ***********************************    ■□編集後記■□    日本では3R運動の中でも「リサイクル」という言葉はよく耳にしますが、    「リデュース」という言葉をあまり耳にしません。リサイクルも大事で    すが、まずはゴミを減らす(リデュース)ことが一番重要です。    私もペットボトルの使用を減らすためにペットボトルのお茶は買わずに    水筒を使っています。    資源の無駄を減らすためにみなさんもできることをしていきましょう!    次回は8月28日発行予定、プチ☆みだコロジーは「リサイクルショップ」    についてです。            ♪♪  お楽しみに  ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:*:.。   ―━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―  ┏━━━━━━━━━━━━━○     プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 8月号 リサイクルショップ ◆◇ 【2008年8月28日発行分】    夏も終わろうとしています。    今年の夏も暑かったですね。日本の各地で猛暑日や真夏日が続き、    ニュースで話題になっていましたね。    こうして暑い日が続くのも「地球温暖化の影響だ!」なんて叫ばれていた    りもしていますね。    それが事実かどうかはさておき、    地球のために様々な取り組みが行われています。    その中の一つ、    「リサイクルショップ」に今月は焦点を当てたいと思います。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ==================================    <CONTENTS>    【T.リサイクルショップ業界の現状】    【U.リサイクルショップはエコ?】    【V.リサイクルショップの落とし穴】    【W.まとめ】 ==================================    【T.リサイクルショップ業界の現状】    商品を不要になった人から買い取って仕入れ、それをそのまま、または きれいにして、必要な人に売る、それがリサイクルショップの仕組みで す。    そんなリサイクルショップも最近ではいたるところに見られるようにな    りましたね。    ここ10年程で見てみると、業界全体の市場規模は、なんと2倍近くまで    膨らんでいます!    2,400億円(平成11年)→3,600億円(平成16年)→4,300億円(平成19年)    (経済産業省商業統計の中古品小売業年間販売額)    なぜそんなに魅了されている人が増えているのでしょうか。    理由を二つ挙げてみましょう。 1つ目に、リサイクルショップの取り扱い品目が多くなっています。 皆さんもご存知の通り、ありとあらゆるものが扱われています。    2つ目に、なんと言っても「安い!」。 僕もリサイクルショップが大好きで、よく利用していますが、その魅力    はやっぱり安さですね。    必要な物を安く買いたいと思うのは、消費者として当たり前の心理です    ね。    最近、ガソリンや食料品などの日常生活で使用するものが資源価格の    大幅な高騰の影響もあり、値上げ傾向にあります。    こうした中で、リサイクルショップの価格面でのメリットもより強調さ    れていくのではないでしょうか。    しかし、そんなある日、疑問に思ったことがあります。    リサイクルショップは、「リサイクル」とつくからには、    環境に優しいの?    その点に関して、ちょっと詳しく見ていきたいと思います。 **********************************    【U.リサイクルショップはエコ?】    リサイクルショップで行われていることは実は「リサイクル」では    ありません。    正確に言うと、「リユース」になります。    リサイクル・・・再生利用  例:回収済みペットボトルを加工して    新しいプラスチック製品にする    リユース・・・・再使用   例:牛乳ビンを回収してもう一度使う    リユース(再使用)は廃棄にまわる製品をそのままの形で使用するのに    対し、リサイクル(再生利用)は廃棄にまわってきた製品を一度加工    して新しい製品にした後に利用する、というものです。    リサイクルの場合、加工する際にエネルギーを使用することになるの    で、加工の必要のないリユースの方が基本的には環境に優しいという    ことになります。 ちなみに、前回の「みだコロジー」でも少し触れましたが、循環型社会    を構築するための3R運動というものがあります。    すなわち、リデュース(ごみの減量)・リユース・リサイクルのことです。    その中では、もちろんゴミを極力出さないようにするリデュースが最も    重要なのですが、限りある資源を何度も使うという点、廃棄物の減少に    役立つという点においては、リユースもリサイクルも環境負荷の低減に    貢献しているのですね。    となると、リサイクルショップの行っている取り組みは、    環境負荷を考える上でも、非常にエコなのです!    しかしながら、実は落とし穴もあります。 **********************************    【V.リサイクルショップの落とし穴】    リサイクルショップが実は環境に優しくないのではないか、    とされる事例を挙げます。それは、    ・エネルギー効率の悪い製品を使い続けてしまう    基本的に古い電化製品の方がエネルギー効率が悪いため、それを使い続    けると、エネルギー効率のよい新しい製品を買うよりも環境負荷が大き    くなってしまうということです。    製品使用時の環境負荷の割合が比較的に大きいエアコンを例にとります。    2005年に10年前の型のエアコンを買って使うと、最新型のものを使うよ    り1.6倍エネルギー効率が悪いという試算があります。    そうだとすると、古いエアコンを廃棄し、新しいエアコンを製造し使う    方が、2年もかからずに、トータルでは環境負荷が小さくなります。    ※↑LCA(ライフサイクルアセスメント。製品の原料の調達から、製造、    販売、使用時、さらには廃棄時までトータルでの環境負荷を見る指標。)    の観点から見た分析    ただし、この落とし穴が当てはまるのは、使用時にエネルギーを使うも のに限定されます。    電化製品を購入する場合は、製造年月を確認し、古めの製品に注意すれ    ば、環境に優しいリサイクルショップの利用ができますね。 **********************************    【W.まとめ】    リサイクルショップでは、環境に良い品物がお手ごろな 価格で売って    いるのです。    古い電化製品などの落とし穴もありますが、少し気をつければ、きっと    満足のいく買い物ができるのではないでしょうか。    さて、リサイクルショップと同じようなリユースを行う仕組みは他にも    ありますね。    例えば、それは最近盛んなIT社会に進出している「インターネットオー    クション」のような場があります。これは、個人対個人、オークション    形式ということで、リサイクルショップとは販売形式が異なりますが、    環境負荷の観点から考えれば、同じエコな仕組みですね。    そんな取り組みも含めて、前回のメルマガの題名にもある「循環型社会を    実現するために」も、リサイクルショップのますますの展開が期待されます。    誰かにとっての「不用品」を、捨てる前にもう一度「もの」として社会    に循環させることは、今後さらに重要な動きになっていくのではないで    しょうか。    「お財布のためにも」「地球のためにも」リサイクルショップの必要性が    どんどん高まっていくと思われます。 **********************************    ■□編集後記■□    先日、リサイクルショップにてソファーを購入しました。    何軒かまわり、やっと出会えたソファーはアジアンテイストなアンティーク性 の高いものです。    そしてなんと、値段は驚きの4980円!    部屋にあわせてみると、非常に心地よい雰囲気が僕の部屋に充満しまし    た。    良い品物を激安価格で手に入れ、地球環境に貢献できたことに喜びを感    じました。    皆さんも、部屋のイメージチェンジなどには、是非ともリサイクルショ    ップを有効利用してみてはいかかでしょう。    きっと自分に合った素敵なものに出会えるはずです。    その際、「エネルギー」の落とし穴にはお気をつけ下さい。    次回は9月11日発行予定、みだコロジー「ごみ発電」についてです。          ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:.。 ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。      ご意見、ご質問もお待ちしております!      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