━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2008            ☆   ☆                           ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜    ☆                         _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 廃棄物の分析について ◆◇                        【2008年11月13日発行分】    秋もいよいよ深まり、徐々に寒さが厳しくなってきました。   今週末あたりはちょうど紅葉が見ごろですね。    車で山のスカイラインを走ったらさぞ良い景色でしょう。    毎年この時期は、空気が乾燥しますよね。    私は乾燥肌なので、非常にカサカサします。    それに、一年の中でも一番火事が起きやすい時期ですね。    火事といえば、廃棄物処理場でも事故が発生することがあります。    あってはならない事故ですが、その原因の一つに廃棄物の情報不足が    あり、その対策として廃棄物の分析が挙げられています。    今回のみだコロジーは、そんな「廃棄物の分析」がテーマです。    法的なことも途中で述べていますが、なるべくポイントを絞って    作成しましたので、参考にしていただければと思います。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.廃棄物も分析するの?】    【U.廃棄物の処理トラブル】    【V.法律から見る分析の必要性】    【W.まとめ】 ===================================    【T.廃棄物も分析するの?】    工場で製品を製造していれば、それに伴って産業廃棄物(産廃)が発生    します。多くの企業は自社処理施設を持っていませんので、その産廃は    廃棄物処理業者に委託することになりますよね。    この処理委託時に気を付けていただきたいのが、「分析」です。    廃棄物を適正に処理するためには、分析が必要な場合があるんです。    20種類に分類されている産廃の中で、    「汚泥」「燃え殻」「ばいじん」「鉱さい」「廃油」「廃酸」    「廃アルカリ」の7種類は基本的に分析が必要です。    なぜ処理前に分析をするかというと、次の情報を明確にするためです。     ・廃棄物の有害性              ( → U章で説明 )    ・産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の法的区分 ( → V章で説明 )    下に一例を挙げましたが、廃棄物の成分や危険性を調べるための分析    項目がそれぞれ定められており、さらに基準濃度が設定されています。    基準濃度を超える廃棄物は、特別管理産業廃棄物(特管)となります。     ◆ 汚泥の分析項目・・pH、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、      (9項目)     砒素、シアン、含水率、油分    (参考資料)特別管理産業廃棄物の種類及び判定基準等(環境省)           http://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/ref03.pdf    分析情報がないと、廃棄物処理業者は処理を委託された際に困ります。    でも、ただ「困る」と言うだけでは実際の処理状況があまりイメージ    できませんよね。    次に、現場での具体的なトラブル例を見て行きましょう。 ***********************************    【U.廃棄物の処理トラブル】    ここでは、実際に処理場で起こるトラブルを分析に焦点を絞って    紹介していきます。    <危険な事故>     例1.シアン化合物が混入していたことを知らなかったため、       廃アルカリの中和時に、突然有害ガスが発生した    <法律違反>     例2.フッ素が含有していることを知らなかったため、適切な廃水       処理ができず、水質汚濁防止法の水質基準値を超過した     例3.引火性廃油であることを知らなかったため、消防法で       定められている保管容量を超えた     (経済産業省:排出事業者のための廃棄物・リサイクル              ガバナンスガイドライン第3章より一部抜粋)      http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/new/041101.html    ・・うーん、なんとも怖い話ですね。    廃棄物処理業者としては、このようなリスクを無くしたいです。    具体的な防止策として、当社は処理料金の見積り時に廃棄物の    サンプルだけでなく、分析証明書やWDS(廃棄物データシート)の    提出を排出事業者様に依頼しています。    事前に分析やその他の情報もあれば、処理可能か否かの判断がより    迅速かつ正確にできるため、事故を未然に防げます。    また、工場での製造工程やそれに伴う廃棄物の成分などに変更が    あった場合、廃棄物処理業者はそれに合わせた処理をする必要が    あります。変更の際はその旨をきちんとご連絡ください。    お互いに安心できますね。    廃棄物処理業者にとって排出事業者の廃棄物情報は、    安全な処理のために欠かせないものです。    適正処理のための情報提供をお願いします。    「あれ?ところで、廃棄物の分析って義務なの?初めて聞いたよ。」    産廃の営業をしていると、そんな場面に出くわすことがあります。    この疑問に答えるために、次は法律を見て行きます。 ***********************************    【V.法律から見る分析の必要性】    廃棄物の分析に関しては、よくお客様から質問があります。    ここではそれらの質問に答えることで、法的な分析の必要性を    説明していきますね。    <Q1.廃棄物の分析って義務なの?>     A1.答えはNO。廃棄物処理法では、分析の義務を謳っていません。      しかし、ほとんどのケースで分析は必要になってきます。     <Q2.義務じゃないなら、なぜ分析って必要なの?>     A2.廃棄物処理を処理業者に委託する場合、廃棄物処理法で※委託      基準が定められており、排出事業者は産廃の「適正処理のために      必要な事項の情報」を提供をする義務があります。      仮に排出事業者がこの情報提供を怠った場合は、委託基準違反      となり、もし情報不足によって事故が発生すれば、排出事業者の      責任となります。       ※委託基準(産廃:施行令第6条の2、特管:施行令第6条の6)        詳細は編集後記に掲載しました    <Q3.なぜ情報提供の際に、分析が必要なの?>     A3.廃棄物情報といっても様々ですが、産廃か特管か(廃棄物種類)      を正確に伝えるためには、結果として分析が必要になります。      T章で述べた産廃7種類に関しては、分析項目の値次第で      産廃か特管のどちらになるかが決まり、その判断材料となる      ものが、分析証明書です。    ここまでで、分析の必要性について分かっていただけましたか。    A2で述べているように、廃棄物の処理に必要な情報がないと    U章のようなトラブルが起きてしまう可能性があるんですね。    結局のところ、分析について廃棄物処理法の中に明記されていない    だけで、実質的には必要なんです。    補足として、他にも幾つかの参考情報を紹介します。    当社所在の静岡県では、県外の廃棄物を県内で処理する際には、事前に    県と協議する必要があります。その際の必要書類に、1年以内に行った    分析証明書の添付も必要であることを条例で定めています。    また法律以外では、業界団体である全国産業廃棄物連合会(全産連)    も、契約時の分析証明書の提示を推奨しています。    やはり、適正処理のために廃棄物は定期的に分析をして情報を正確に    しておいてください、というスタンスなんですね。 ***********************************    【W.まとめ】    工場の廃棄物担当者であれば、    「生産にかかわる材料や原料ならともかく、いずれ捨てるものである     廃棄物にまで余計な費用をかけたくないなぁ。」    ・・こう思われる方も多いでしょう。    しかしこれまで見てきたとおり、    排出事業者の分析そのものは義務化されていませんが、産廃の処理に    おいて法令(委託基準)を順守するために、分析は必須なのです。    処理業者にとっても、市民や地域に迷惑をかけないよう適正処理に    努めていますので、廃棄物の情報は重要です。    産廃を委託される事業者の皆様には、是非この点をご理解いただき、    適正処理のための情報提供をお願い申し上げます。 ***********************************    ■□編集後記■□    今回のみだコロジーはいかがでしたか。    法律とも絡んだ難しい話題だったかもしれません。    分析なんて単語を聞くと、化学の実験室を思い出しますね。    私は実験自体は楽しんでいましたが、後片付けが嫌いでした。    実験によっては大量に試験管を洗わなければならないですし、    何回もきれいな水ですすぐのが、もう手間で手間で・・(泣)    確か化学の実験室にも、重金属用のタンクがあり、    廃液は下水道ではなく別のタンクに捨てた記憶があります。    重金属は目には見えないので、当時は非常に面倒でした。    問題点が分からないと、なかなか難しいことですよね。    現役の学生さんには、是非今回のメルマガを参考にしていただき    たいものです。    <参考資料>     ・委託基準(産廃:施行令第6条の2、特管:施行令第6条の6)  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46SE300.html     ・委託契約に含まれる事項(産廃:施行規則第8条の4の2)       委託契約に含まれる事項(特管:施行規則第8条の16の2)       http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46F03601000035.html    次回は11月27日発行、プチ☆みだコロジー「カーシェアリング」です。           ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:* ―━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―   ┏━━━━━━━━━━━━━○      プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ カーシェアリングのすすめ ◆◇                        【2008年11月27日発行分】     秋も深まる今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?     風邪をひいたりしませんでしたか?風邪をひいても、     11月だけに薬を「のめばー」(NOVEMBER)     治りましたか?・・・寒いので気をつけてくださいね。     私は主にバイク通勤なのですが、10月の終わりくらいから     ものすごく寒くなり、 人より早くコートを着ていました。 最近は、町中でコートを着ている人も珍しくないですね。     車で通勤される方も、暖房が効き始めるまで     コートは手放せないのではないでしょうか?     車といえば、最近私思うんです。     車の維持費が異様に高いな、と。 何かいい方法はないものか、と思い巡らしてみると、     日本の都市部でこのような事業があることを知りました。     その名も「カーシェアリング」!!     今回のテーマはこちらです。どうぞご覧ください。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.カーシェアリングとは】    【U.環境に優しい】    【V.お財布に優しい】    【W.まとめ】 ===================================    【T.カーシェアリングとは】    カーシェアリングとは、車を複数の会員で、    共同利用する自動車の新しい利用形態です。    親しい人が集まってカーシェアリングを始めることもできますが※、    現在の日本ではNPOや企業が事業として行っているので、    その会員になることで、始めることができます。 (※この場合も国土交通大臣の許可等が必要です。詳しくは    そちらまで。ただし今回は、事業として行っているカーシェアリングを    中心に見ていきますね。)    カーシェアリング利用にはまず、管理団体の会員となります。    そして乗りたい時には、車を予約してから保管場所に行き、    車を使います。    もし、同じ時間帯に車を利用したい人が複数いた場合、    保管場所に人数分の車があれば、各々使用できます。    また、たとえ人数分の車がなくても他の保管場所にある車を    予約することもできるため、そちらの車を使用することができます。    予約してから使用するところなどは少しレンタカーに似ていますね。    しかし、買い物のような「短時間での利用に好都合♪」    という点が大きな違いです。    どうでしょう?    カーシェアリングについて少し分かっていただけましたか?    では、次からはカーシェアリングを利用することのメリットについて    見ていきましょう!    主に挙げられる点は、「環境に優しい」と「お財布に優しい」です。 ***********************************    【U.環境に優しい】    環境に優しいとはどういうことでしょうか?    それは    ・効率的な車の利用と公共交通機関の利用増加    ・渋滞の緩和    この2つによる「二酸化炭素排出量の削減」です。    『効率的な車の利用と公共交通機関等の利用増加』    1998年にスイスで行われた調査では、カーシェアリング入会前は    自動車利用が1人あたり年間約9000kmだったのに対して、    カーシェアリングの利用を始めると約2500kmまで    縮まったとしています。    これはなぜでしょうか?    これは、カーシェアリングが利用時間と利用距離によって課金    される仕組みのため、無駄な使用をせず、効率よく利用しようと、    利用者の意識が働くからだと考えられます。    また、先ほどのスイスの調査では公共交通機関・徒歩・自転車    ・オートバイの移動距離が40%以上増加した、としています。    カーシェアリングの利用によって、車から、    より環境負荷の少ない交通手段への利用が促進されたのですね。    『渋滞の緩和』    アメリカの大手カーシェアリング事業会社での試算では、    1台のカーシェアリングで約20台の自家用車の保有台数を    減らせるとしています。    保有台数が減れば、道路を走る車の数が減ると考えられますね。    それが渋滞の緩和に繋がるのです。    そして、渋滞緩和によって無駄なアイドリングが減り、    燃費が良くなります。    したがって、二酸化炭素排出量の削減が期待されています。    これらによる二酸化炭素排出量の削減によって、    カーシェアリングは環境に優しい、と言えそうです♪ ***********************************    【V.お財布に優しい】    「環境に優しい」の次は「お財布に優しい」です。    カーシェアリングでは入会に必要なお金、月額基本料、利用距離と    利用時間に応じたお金が必要です。しかし、車の維持費用(購入費、    駐車場代、保険料など)が掛かりません!    今まで車を所有し、月額約8万円の車両経費を支払っていた方が、    同じ利用条件でカーシェアリングをした場合、 月々にかかる金額は約4万円!という試算もあります。    なんと!?驚きです。    単純に考えると4万円も浮いたことになりました。    ※上記料金項目と節約分に関してはあくまで参考です。    詳しくは各カーシェアリング実施団体または企業ホームページなどで    お確かめください。    また上記試算は、自家用車使用の場合と同じ利用条件での試算です。    しかし、Uでも書いたようにカーシェアリングへの移行によって    車の利用効率化(利用距離の減少)が一般的に期待されます。    つまり、無駄な使用を抑えることによって、    より一層のコスト削減が望めるのです!! ***********************************    【W.まとめ】    今までカーシェアリングのメリットについて、ざっと見てきましたが、    当然デメリットもあります。    ○ 返却時間を気にしなければならない    ○ 長時間の利用には向かない    予約制のため、利用時間を延長することは容易ではなく、    また、長時間の使用も他の利用者のためには好まれません。    料金面でも、長時間(半日以上)利用する場合には、レンタカーを    借りた方が安くなります。    ○ 地方での利用が困難な点    地方都市については、都市部ほど公共交通機関が発達しておらず、    自動車への依存度が高いため、利用が難しい環境といえます。    これらのデメリットを踏まえると、やはり急に自家用車をゼロに    してカーシェアリングを利用するのではなく、複数の自家用車を    持っている場合に、1台減らしてその分カーシェアリングを    利用する、という利用方法が現実的と言えそうです。    こうすることで、時間の制限が緩和されます。また、地方都市でも    カーシェアリングを利用していけるのではないでしょうか。    国も、カーシェアリングによる二酸化炭素排出量削減効果が、    京都議定書目標達成に貢献できるとして注目しています。    全国的にはまだまだ普及していないとはいえ、    私たち消費者がカーシェアリングのメリット・デメリットを認識し、    認知度を高めていくことで、今後の利用には期待できると思います。    「カー」だけにあなたの街に「来るま(車)」で    待ってみる価値アリです!!    実際にあなたの街まできたら、ぜひ検討してみてください。    きっとあなたの味方になってくれることでしょう。 ***********************************    ■□編集後記■□    今回のメルマガ「カーシェアリング」はいかがでしたか?    そういえば、今月はアメリカで大統領選挙がありました。    大統領候補者選出段階から注目の集まる選挙でしたが、    みなさんどなたを応援されていましたか?私はオバマ氏でした。    理由は「YES,WE CAN!」のフレーズと、    小浜市ということです。    私の実家が福井県にありまして、県内の小浜市では、    地域をあげて名前にゆかりのある「オバマ氏」を    応援していました。    私もなんだか親近感が沸いて応援していました♪    当選までにはたくさんの壁があったと想像できますが、    とにもかくにも、ご当選おめでとうございます!!    今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます!!    同じように環境問題も、国や企業、各個人に対して    大きな壁として立ちはだかっていると思いますが、    みなさん、「YES,WE CAN!」です。    壁は乗り越えることができる!と私は信じています!!    身近なことやできることから始めてみましょう♪ 参考:●交通エコロジーモビリティー財団       「カーシェアリングによる環境負荷低減効果                   及び普及方策検討報告書」      ●有限責任中間法人 カーシェアリング普及推進協議会      ●「カーシェアリングが地球を救う」 村上敦著                       洋泉社 2004年      ●その他、カーシェアリング事業実施団体・実施企業    次回は12月11日発行予定、 みだコロジー「産業廃棄物の収集運搬方法」についてです。           ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:*:.。.:**:.。.:**:.。.:*   ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。    ご意見、ご質問もお待ちしております!    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