━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2009            ☆   ☆                           ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜    ☆                         _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 6月号 産業廃棄物の県外搬入 ◆◇                        【2009年6月11日発行】    皆さん、こんにちは!    5月のからっとした天気も終わりを迎え、じめじめした梅雨の時期に    入ってきますね。    さて、天気もあまりよくない時期ですが、廃棄物の担当者様は    6月中に提出しなければならない書類も多く、忙しい時期を    迎えているのではないでしょうか。    特に、産業廃棄物を区域外(例えば、県外)の処分場へ処分依頼を    している場合には、行政によってはその搬入実績報告をしなければ    なりませんね。    例えば当社の処分場がある静岡県への産業廃棄物の搬入を    始める際には「事前協議」という手続きを踏まなければならず、    「面倒くさい」と感じている方も多いのではないでしょうか。    しかし、その実態はどうなっているんでしょう?    今回は、そんな産業廃棄物の区域外搬入(以下、区域外搬入のことを    便宜上「県外搬入」と記載する)について見ていきたいと思います。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.産業廃棄物の県外搬入とは?】    【U.県外搬入に係る制約の種類】    【V.県外搬入に係る制約の意義】    【W.制約の種類が異なる理由】    【X.まとめ】 ===================================    【T.産業廃棄物の県外搬入とは?】    産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物を除いて20種類。    また、同じ名称であっても、中身が大きく異なる場合もあります。    (例えば「汚泥」でも、無機系汚泥と有機系汚泥は処理方法などが全く    異なります)    ある一つの排出事業者様からも、さまざまな種類の産業廃棄物が    排出されると思います。    種類が異なれば、それに適した処理方法も異なりますので、廃棄物の    処分先が複数ある場合も多いと思います。    通常、運搬効率などを考えると、廃棄物の発生する場所(排出事業場)    の近くで処理するのが基本です。    しかし実際には、「適正な処理を行う処分場が至近にない」などの理由    により、排出事業場が所在する都道府県の外(以下、便宜上「県外」と    記載する)で処理を行わなければならない場合もありますね。    受け入れ側(行政、処分場)から見ると、産業廃棄物を県外から    運び込んで処理を行うことになりますが、このことを「県外搬入」と    呼びます。    ただし、産業廃棄物の県外搬入を行う際には、行政手続き上制約が    かかる場合があります。    次章以降、そうした産業廃棄物の県外搬入の状況について見て    いきます。 ***********************************    【U.県外搬入に係る制約の種類】    単純に産業廃棄物を県外から移動すると言っても、その手続きの内容は    都道府県によってかなり異なりますし、そもそも手続きの必要のない    都道府県もあります。    以下、産業廃棄物の県外搬入に係る制約のケース4通りを見て    みましょう。    ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽    1.手続きの必要のないケース  例)東京都、神奈川県     県外から搬入する場合でも特に何の手続きの必要もなく、搬入が     できます。    2.届出が必要なケース  例)愛知県     所定の書類に必要事項を記入の上、管轄行政の窓口に提出すれば、     一定期間を経た後、産業廃棄物を搬入することができます。    3.事前協議が必要なケース  例)静岡県、千葉県     県外から産業廃棄物を搬入するためには、管轄行政の窓口に     出向いて、指定された書類を提出した後、行政と協議を行い、許可を     得る必要があります。     都道府県によっては、10種類ほどの書類を提出しなければならない     ケースや、最終処分の場合には県外からの搬入量の割合が制限される     ケースなどもあります。    4.原則搬入禁止なケース  例)北海道、香川県     県外からの搬入は原則禁止です。     再使用・再生利用等の循環的な利用のみ搬入可能など、条件付で     搬入可能なケースもあります。    ※「都道府県の事前協議制度等」(URLは編集後記参照)を参考にして     作成しました。    ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△    都道府県によって内容がかなり異なることが分かりますね。    では、なぜこのような制約があるのでしょうか?    V章では、その意義について見ていきましょう。 ***********************************    【V.県外搬入に係る制約の意義】    県外搬入に係る制約の意義として考えられているものを2点挙げます。    ◆排出事業者責任を明確にし、不法投棄を防止する     県外からの廃棄物を受け入れるということは、排出事業場のある     行政の管轄を離れ、別の行政の管轄になるため、その量などの状況を     把握することが難しくなります。     そんな中、何も措置をとらなければ、不法投棄のリスクが     高まります。     そこで、事前協議のような手続きを踏むことにより、排出事業者     責任を明確にし、行政としては廃棄物の搬入の状況を把握し、     それによって適正な処理を図ろうとしているのです。    ◆廃棄物を計画的に受け入れ、環境保全に寄与する     事前協議手続きによって廃棄物の搬入状況を把握したり、また     搬入できる量に制限を設けたりすることにより、不用意な廃棄物の     搬入を避け、計画的に廃棄物を受け入れることができます。     こうした取り組みにより、受入地域の環境保全に寄与します。    意義としては例えば上記が挙げられますが、その他にも    考えられるかもしれません。    では、これを踏まえた上で、なぜU章の制約の種類に違いがあるのか    見てみましょう。 ***********************************    【W.制約の種類が異なる理由】    U章の制約の種類に違いがある理由として、例えば以下の2点を    「総合的に」判断していると考えられます。    ●過去の不法投棄等の事件      例えば、香川県では4の「原則搬入禁止」となっていますが、      これは豊島のごみ問題(*)などを反映しているのかも      しれません。      また、事前協議の必要な静岡県や千葉県も不法投棄が多かった      ため、規制が強化されたのでしょう。    ●行政の手間やコスト      2の届出や3の事前協議といった手続きがあると、行政にとっても      手間やコストが増えますが、それは市民にとっての負担増も      意味します。    *豊島のごみ問題:瀬戸内海に浮かぶ香川県豊島において、1990年     までの間に50万tもの産業廃棄物が不法投棄されたという事件    もちろん行政の人員や財政などといった資源が無限であれば、    規制を強化した方が不法投棄の防止や環境保全に役立つ、    となるのかもしれませんが、資源も無限ではないので、バランスが    大切なんですね。 ***********************************    【X.まとめ】    いろいろ見てきましたが、確かに事前協議のような手続きがあったり、    制約があったりすると、排出事業者様にとっては「面倒くさい」と    思われるかもしれません。    しかし、こうした手続きをすることによって、不法投棄を未然に防ぎ、    適正処理を図ることや環境保全に寄与することにつながります。    廃棄物を管理していると、どうしても県外で処理した方がよい場合も    出てくると思います。    そんなときには、処分業者・行政と連携をとりながら、どのような    手続きが必要なのか確認し、適正なステップを踏んでいきましょう。 ***********************************    ■□編集後記■□    廃棄物を扱っていない方にはなかなか分かりにくい内容だったかも    しれませんが、県外搬入が可能な場合でも事前協議のような手続きを    行うことにより、不法投棄などのリスクを減らそうとしているん    ですね。    なお、当社の処分場がある浜松市・静岡県・愛知県の事例、及び、    本文にて参照した全国の県外搬入手続きについて記載した表のURLを    参考までに記載します。    浜松市事前協議     http://nw01.city.hamamatsu.shizuoka.jp/businessindex/haiki/     sanpai/haiki15.htm    静岡県事前協議     http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-040/sanpaikakari/reiki/     kengai-sanpai.PDF    愛知県事前協議     http://www.pref.aichi.jp/kankyo/sigen-ka/hourei/jyorei-2/     jigyou/jigyou3.html    都道府県の事前協議制度等     http://www.pref.nagano.jp/kankyo/haiki/keikaku2/sp6data47.pdf    次回は6月25日発行予定、プチみだコロジー    「市町村が分別収集できない理由」についてです。           ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:* ―━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―  ┏━━━━━━━━━━━━━○     プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 市町村がプラスチック容器包装を分別収集できない理由 ◆◇ 【2009年6月25日発行】    先日、私の母親から電話がありました。    「家から出すごみを、なんで私の町では分別収集しないの!?    隣町では分別収集してるみたいなのに・・・。」    いきなり何を言いだすのかと思いながら話を聞いてみると、    「隣町ではプラスチック類は、燃えるごみとは別で資源ごみに出してい    るんだって。ウチの町は、全部燃えるごみに出しているのよ。    プラスチックは再生できるこの時代に、分別しないで燃やしている町に    住んでいるなんて恥ずかしいわ!」    そういえば、そうですね。市町村による違い・・・、どうしてあるので    しょう?    ミダックの社員として、これぐらいの問いには答えられなくては。    分かりました!その問いに答えましょう、お母さん!     それでは、家庭から出るプラスチック類の分別について見ていきま    しょう。 ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。      ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.容器包装リサイクル法について】    【U.分別収集にまつわる諸事情】    【V.市町村の例】 ===================================    【T.容器包装リサイクル法について】    家庭から出るプラスチックの分別収集を考える上で、切っても切れな    い法律があります。それは、「容器包装リサイクル法(容器包装に係る    分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)」(=容リ法)です。    まずはこの容リ法について、少し知っておく必要があります。    「容リ法」は、消費者・市町村・特定事業者(※)の協力による    リサイクルシステムを推進するものです。    ※特定事業者とは、容器包装を利用する事業者および容器を製造する     事業者です。    容器包装廃棄物(ガラスビンやペットボトル、プラスチック製容器    包装、紙製容器包装)の減量化と再商品化を目的として、2000年から    本格的にスタートしました。    容リ法の特徴は、3者(消費者、市町村、特定事業者)の役割分担を    決めている点です。     ・消費者は、容器包装廃棄物の排出を抑制し、      “住んでいる地域のルールにそって”分別排出する     ・市町村は、容器包装廃棄物の分別収集を行う     ・特定事業者は、排出量に応じてリサイクルに対しての費用を一部       負担する。    ここでキーポイントになるのが、どの品目を分別するかは市町村の判断    に任されているという事です。    そのためプラスチック製容器包装を分別する市町村としない市町村に分    かれます。    しかし、リサイクルが叫ばれている昨今、できるだけ分別しリサイクル    したいと考える市町村がほとんどでしょう。    それが、現実はそうもいかないようです。    次章ではその理由について見てみましょう。 ***********************************    【U.分別収集にまつわる諸事情】    分別できない理由に関しては各市町村によって様々な事情が    ありますが、今月号では、一貫して見受けられる大きな問題を2つ    ピックアップします。   ● 1.分別に対する意識の低さ ●    容器包装廃棄物のリサイクルには、選別工程が不可欠であるため、分別    の徹底が十分でなければ、莫大な費用がかかってきます。    分別収集費、選別・保管費用、異物処理費用・・・といったものです。    リサイクルはしたい、けど莫大な費用がかかる。だからといって住民    の分別の徹底は難しい、というのが市町村の悩みです。    この現状では、やはりリサイクルはなかなか実現しにくいようです。    リサイクルには、住民の分別に対しての意識の高さと、徹底がどうして    も必要という事です。   ● 2.焼却炉の温度低下  ●    市町村からでてくるごみは主に、各市町村のごみ焼却炉にて焼却処分さ    れています。    しかし、本来焼却できるプラスチック製容器包装を分別してしまうこと    で、焼却炉の温度低下が懸念されています。    ※焼却炉を運転していくのには、ダイオキシンの発生を防ぐために、     「温度」を800度以上に保つ必要があります。     (「ダイオキシン類対特別措置法」参照)    プラスチックは生ごみや木や紙と比べ、炉を高温に保つことができ    ます。つまり、プラスチックが焼却炉の運転維持に大きな役割を    担っています。    ※助燃剤(灯油や重油)の使用で温度を保つことができますが、コスト     がかかります。    こうした現状により、分別の方法に違いが出ていると考えられます。    これらを踏まえた上で、分別している市町村としていない市町村の一例    を見てみましょう。 ***********************************    【V.市町村の例】    ★沼津市の例(プラスチック容器を分別している市町村)★    沼津市の分別数は驚きの13品目!!    もちろんプラスチック製容器包装も一つのカテゴリーとして分別され、    再生事業者へ引き渡されています。    また、プラスチック製容器包装以外のプラスチックゴミ    (オモチャやビデオテープ)まで分別収集されています。     沼津市では、住民の分別意識の高さにより、徹底的な    分別排出が行われており、選別費等の余分な経費が最小限になされてい    ます。    また、焼却炉の温度低下の問題に対しては、沼津市では焼却炉の構造    (温度を高く保つことができる)を工夫する事によりその問題にも対応    しています。    ★世田谷区の例(プラスチック容器を分別していない市町村)★    東京都では今までプラスチックはすべて直接埋め立てられてきました    が、埋立場の残量の逼迫から、昨年度より、各市区町村により独自の    プラスチック処理方法がはじめられました。    そんな中、世田谷区では2008年10月1日から、従来の不燃ごみから可燃    ごみとして収集して一括焼却するという方針が発表されました。    世田谷区では、プラスチックを他のゴミと一緒に焼却することにより、    炉の温度を安定的に保つことができています。    ※この例の他にもプラスチックは埋立処分、固形燃料化等の処理を行     なっている市町村もあります。 ***********************************    【W.まとめ】    これまで見てきた通り、プラスチックのリサイクルには様々な要因が    絡むため、どうしても、地域によって処理方法や対策が異なってしまい    ます。    ゴミの出し方に疑問をもたれている方、是非とも市町村に問い合わせて    みてはいかがでしょうか?    【参考】    ○財団法人 日本容器包装リサイクル協会 http://www.jcpra.or.jp/    ○兵庫県環境クリエイトセンター 報告書     http://www.kancri.or.jp/profile/final/final_3.html ***********************************    ■□編集後記■□    突然ですが、今回のプチみだコロジー6月号を持ちまして、私たち    平成20年度入社社員のメルマガ記事作成担当を卒業します。    今まで私たちのメルマガを読んでいただいた読者の皆様、    本当にありがとうございました。    しかし、まだまだメルマガは終わりません。    次回7月号みだコロジーからピチピチの平成21年度入社社員が担当とな    り、私たち20年度入社者社員は管理者として、お客様にとってより良    い記事を作成できるよう努めてまいります。    次回は7月9日発行予定、みだコロジー「産業廃棄物について」です。    また、近日中に体制変更について改めてお知らせ致します。           ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:*   ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。    ご意見、ご質問もお待ちしております!    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