━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2010            ☆   ☆                         ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜 ☆                       _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━ ◆◇ 廃棄物の排出・処理現場に潜む危険について ◆◇                        【2010年6月10日発行】 読者の皆さん、こんにちは! 6月になり、じわじわと暑くなってきましたね。    夏になると、虫がたくさん出てくるので殺虫剤や虫除けスプレーは    必需品になってくると思います。    殺虫剤は虫を駆除できるものなので「危険」とイメージされる方も多く、 取り扱いには注意されている方が多いのではないでしょうか。        同じく、産業廃棄物(産廃)の一般的なイメージとして、「危険なもの」    を想像される方も多いはずです。    そして、実際に廃棄物の種類によっては、匂いや色といった 五感で感じ取れるもの以外に、重金属等の有害物質が高濃度で 含まれている場合があります。        当然、そういった産廃の回収や処理をするとなると、特殊な設備    だけでなく、重金属等の化学反応や廃液に含まれる有害物質等の    専門的な知識が必要となります。        処理現場の危険性等は、排出事業者様が普段知ることのできない部分    であると思いますので、少しでもご参考になればと思います。    そこで、今回のメルマガは「廃棄物の排出・処理現場に潜む危険」    について、ご紹介したいと思います。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。      ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.廃棄物処理の危険性】    【U.事故の発生事例】    【V.事故発生抑制の取り組み】    【W.まとめ】 ===================================    【T.廃棄物処理の危険性】        産廃の取り扱いには様々な危険要因が存在しています。    中でも、特に強酸・強アルカリ、金属粉、粉塵状の廃棄物は事故も多く、    危険性の高い廃棄物です。    それでは、何が危ないのか下記で簡単に危険性を説明します。    ■強酸(例:硝酸、硫酸、塩酸)・強アルカリ(例:水酸化ナトリウム)    強酸・強アルカリの皮膚や眼へ接触は大変危険です。    眼に接触した場合は、失明の危険性もあります。    また、廃液から有毒ガスが発生する可能性があり、もし吸引してしまうと    呼吸器障害を引き起こすこともあるので注意が必要です。    回収の際は地下ピットやタンクに直接入ることもあることから、    ゴーグルや防毒マスク等も必須道具となっています。    ■金属粉(例アルミニウム粉、マグネシウム粉)    金属粉の研磨粉でも、アルミニウムとマグネシウムの粉が    最も注意の必要なものです。    アルミニウムやマグネシウムは水と接触すると、水(H2O)の酸素と    マグネシウムが反応し水素を発生し発熱、さらには自然発火の可能性も    あります。一旦着火すると激しく燃焼する性質を持っているため、酸化が    完了するまで打つ手がありません。        ■粉塵    粉塵を処理する場合にも注意が必要です。    処理過程において、粉塵が立ち込めると、コンベア摩擦熱等により    容易に引火し、粉塵爆発を引き起こします。    そのため、少量づつ小分けにして処理するか、しっかりと散水して引火    抑制の対応をしなければいけません。        上記以外にも、医療系廃棄物やアスベストなど事故発生件数は少なくても、    扱いに注意しなければ大変危険なものも多くあります。        U章では、実際発生した事故と、その対策を具体的に紹介します。    排出現場(お客様)でも、実際に廃棄物を扱っておられるので、    これを参考に、しっかりと安全対策をしていただけたらと思います。 ***********************************       【U.事故の発生事例】       U章で紹介するのは、産廃の保管についての事故例です。    それでは、その詳細を見ていきましょう。    ■ 事例名称【ドラム缶入り使用済み乾燥剤の汲出し中の爆発 】    化学工場の敷地内にある産廃野積場に、使用済みの乾燥剤を入れた    ドラム缶が約半年間放置されていました。そのドラム缶からの移し    替えを始めた際に、ドラム缶内で爆発が起こり1名が負傷したとの内容です。    【原因】    乾燥剤にはプロセス流体であったフロンが含まれており、それが長期野積    の間にフッ素と水素が分離し、1,1-ジクロロエチレンを生成させてしまい    ました。1,1-ジクロロエチレンの一部がドラム缶内に閉じ込められていた    空気または他の物質に含まれた酸素と反応し過酸化物を生成し、    過酸化物とジクロロエチレンとが爆発範囲内にあり、金属製柄杓と    ドラム缶の衝撃で爆発したとのことです。    つまり、化学的な処理をせずに長時間野積放置したのが原因となります。    排出事業所の方もフレコン、ドラム等の荷姿で産廃の保管をする事が 在るかと思いますが、しっかりと産廃の性質を把握することが重要ですね。     ちなみにですが、他にも様々な原因で発生した事故がたくさんあります。    是非下記のURLをご参照していただきたく存じます。    JST失敗知識データベース http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search           ***********************************    【V.事故発生抑制の取り組み】    この章では、弊社が行っている事故発生抑制の取り組みと、排出事業者様    に是非参考にしていただきたいことをご紹介したいと思います。        ■ミダックの事故発生抑制の取り組み        まず、収集運搬に関しては車両の点検・整備をこまめに行い、車両の故障や    、それによる産廃の漏えいを防ぎ、運搬の際の事故を抑制しています。    また、作業後の洗浄作業をきちんとすることで、残留物と回収する産廃    とが化学反応を発生する要因を排除します。 さらに、作業従事者を対象に勉強会を定期的に開き、廃棄物の性状や化学的    な知識、交通事故防止などを学習をし、事故発生抑制に役立てています。    処理の際は、産廃のサンプルを採り、ビーカーテストを行って、    その産廃が安全に処理できるか確認をします。    処理施設に搬入された時にも、サンプルと性状が同じかどうか    チェックし、その後に適正処理を行います。       ■排出事業者様へのお願い        多くの排出事業場では、定期的に廃棄物の分析を行い、管理しているかと    思います。取り扱っている産廃が、どういう性質なのか、どういった    化学反応をするのかを理解することが、事故発生を抑制する有効な手段です。    また、分析の結果で廃棄物の法的区分や処理方法までも左右されます。    つまり、適正に廃棄物の処理をするには、分析の必要性が非常に高い    です。    上記の内容により、分析の管理及び提示のご協力をしていただければ    幸いです。        なお、分析についての内容に関しては、過去のメルマガに記載しています    ので、参考にしてくださいね。        2008年度11月:http://www.midac.co.jp/jp/mllist/backno/200811.txt    2009年度09月:http://www.midac.co.jp/jp/mllist/backno/200909.txt     ***********************************    【W.まとめ】        このように、排出事業者様の産廃を安全かつ適正に処理することができる    よう上記以外にも様々な取り組みを行っています。    しかし、弊社での取り組みだけでは事故を未然に防ぐことができません。        今回のメルマガで排出事業者様と処理業者の双方の努力により    事故の発生防止が出来る事をご理解いただけたと思います。    それゆえに、排出事業者様が産廃に対し正しい知識を持ち    適正な状態で排出して頂くことが、事故を防ぐためにとても重要なことです。    事故防止ために、今回のメルマガの情報を少しでも役立てていただければと    思います。    上記で紹介した事故以外にも、過去には様々な事故があります。    それらの事故の原因・対策を考えていただけたら、    一層廃棄物に係る事故はさらに減るものと思います。     ***********************************    ■□編集後記■□    今回のみだコロジーはいかがでしたか?        私も今回のメルマガを執筆しながら、過去の事故をいろいろ調べましたが    同じ事故が何度も起きているのは、とても残念だと思いました。    知識・理解が足りないでは済まされない問題ですので、これからも    廃棄物の事故の勉強は継続していきたいと思います。 さて、突然の発表となりますが、今回のみだコロジー6月号を持ちまして、    私たち平成21年度入社社員のメルマガ記事作成担当を卒業します。    今まで私たちのメルマガを読んでいただいた読者の皆様、    本当にありがとうございました。        次回7月号のみだコロジーからフレッシュさ溢れる平成22年度    入社社員が担当となり、私たち21年度入社者社員は管理者として、    お客様にとってより良い記事を作成できるよう努めてまいります。    引き続き、みだコロジーをよろしくお願いいたします。           次回のみだコロジーは 7月 8日発行予定、    テーマは  『 廃掃法改正について〜基礎知識編〜 』 です。              ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:*   ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。    ご意見、ご質問もお待ちしております!    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