従業員一人ひとりの声に耳を傾け、
真摯に向き合うマネジメントを推進
社会インフラとして環境に配慮した廃棄物処理を追求します。
国内の最終処分場の残余年数は19.7年、特に首都圏では13.4年と逼迫しており、最終処分場以外での処理が困難なリサイクル不適合廃棄物が年間1,000万トン排出されている現状を踏まえると、環境保全の側面からも最終処分場の役割の重要性は非常に高いと言えます。奥山の杜クリーンセンターが稼働を開始したことも含め、今後の当社グループの成長余地は大いにあると認識しています。
同時に、国内外において脱炭素化やSDGsの推進が加速し、企業にも環境に配慮したサステナビリティ経営が求められる中、当社グループとしても環境省が描く「3R+Renewable」※の実現に向け、時代のニーズに応える環境インフラの提供により、当社グループの企業価値向上と社会の持続的成長の両立を目指す社内体制の整備に取り組んでいます。
また、温室効果ガスの排出量の削減は当然重要ですが、事業活動を行う上でゼロにすることは非常に困難であるため、脱炭素化への取り組みの一環として、CO2を回収し貯留する技術(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)やCO2を回収し有効利用する技術(CCU:Carbon dioxide Capture and Utilization)など、カーボンオフセットに関する研究開発を産学共同で進めています。
※ 政府が進めるプラスチック資源循環戦略の基本原則。3R(Reduce・Reuse・Recycle)に加え再生可能資源への代替(Renewable)を求めている。
地域連携を強化するとともにSDGs達成に向けた新たな取り組みも始めました。
当社グループでは、事業とSDGsとの融合促進を目指して、様々な側面から取り組み、SDGs達成に向けた社会貢献活動を積極的に推進しています。2023年3月期は、地域社会におけるインフラとしての責務を全うするため、頻発化・激甚化する自然災害への対応として、複数の自治体(牧之原市・磐田市・裾野市)との間で災害廃棄物処理に関する協定を締結し、地域連携の強化を進めてきました。
また新しい取り組みとして、5月には企業主導型保育事業を営む「LOVE THY NEIGHBOR株式会社」、11月には果実の生産を手がける「株式会社岩原果樹園」の異業種2社をM&Aで取得しました。一定利益の確保が前提ではありますが、新しいグループメンバーには幼児期における環境教育の普及、地域創生・環境保全につながる展開を期待しています。
当社グループでは今後、中長期的な成長戦略の実現に向け新規廃棄物処理施設の設置を推進することはもとより、上場企業として求められる社会・環境の維持・向上のために、サステナビリティの視点を取り入れた積極的なM&Aを推進し、事業基盤の一層の強化に取り組んでいく方針です。
重要な経営資源である、従業員のウェルビーイング実現を目指し手づくりで対応を重ねています。
人的資本に関しては、これまでの施策に加えてより充実した内容でウェルビーイング向上につながるよう取り組んでいます。
2023年3月期においては、1年をかけて従業員の多様なライフステージに対応できる制度の構築を進め、2月には出勤・退勤時刻を事情に合わせて移動できる「ミダックおもいやり制度」の試験運用を開始しました。多くの従業員が利用し好評のため、4月から本格運用を開始しています。優秀な人材が、子育て・介護など人生における一時的な事情でキャリアを諦めざるを得ない状況は、会社にとって大きな損失であり、事業成長を目指す上でもフレキシブルに対応し続けていく必要があると考えています。
このほか、国民病ともいわれるがんに罹患し、がんサバイバーとなった従業員を少しでも支援したいと考え、福利厚生の一環として法人向けがん保険に加入したほか、内定者がコロナ禍の影響で奨学金の返済に悩んでいる状況を知り、この4月から奨学金返還支援制度を導入しました。
当社では、従業員が現場で困っている状況を改善・解決するために会社として何ができるかを考え、手づくりで新しい施策・制度をつくっています。従業員一人ひとりと真摯に向き合い、それぞれのニーズを見極めながら、誰もが働きやすい職場環境の整備・充実を目指します。
中核人材の育成についても、2020年から管理職を対象とする教育制度を導入し、人財開発に注力しています。新卒採用を始めて10年以上になりますが、新卒で入社したメンバーがマネジメント層の一員として就任するまでに育ってきました。広義のサクセッションプランという形での教育プランも用意し、現在1名が対象となっています。
いつの時代も暮らしに不可欠なインフラとして未来に続く廃棄物処理を追求します。
当社グループは、目まぐるしく変化する経済環境や市場の中で、創業以来の経営理念を不変の拠り所とし、新しい時代のニーズに適応した持続可能性のあるビジネスモデルを今後も追求し続けていくことをお約束します。
人々の暮らしに不可欠な社会インフラとして、未来に続く廃棄物処理を実現することこそが私たちのパーパス(存在価値)であり、果たすべき使命です。業界を牽引する総合廃棄物処理企業へと進化し、そして経営理念を達成すべく、グループ全社員が一丸となって企業価値の向上に努めていきますので、ステークホルダーの皆様には、水・大地・空気を未来につなぐ当社グループのさらなる発展のため、また、私たちに課せられた大きな使命と責任を果たし続けるために、なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長